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2020.6.26 連載 Modern Contemporary Stationery #5「アメリカメイドの工業製品のようなペン」


デルフォニックス 渋谷のバイヤーが、今あらためておすすめする「現代の文具」を紹介する連載「モダンコンテンポラリーステーショナリー」。この連載も第5回目となりました。渋谷の街は、外出自粛前とはやはり雰囲気が違っていて、今も人出は少ないですが、店舗がある渋谷パルコも少しずつ動き出しています。

渋谷パルコの中には本当に面白いお店がいろいろあり、こちらも紹介したいくらいです。例えば、そうですね、1階にある花屋さん。お菓子やワインも売っていて、品揃えが面白い。それから、デルフォニックス 渋谷の向かいにあるミュージアム「PARCO MUSEUM TOKYO」もおすすめです。

今回紹介するモダンコンテンポラリーステーショナリーは、アメリカのブランド「SCHONDSGN(ショーンデザイン)」のボールペンです。創業者のイアン・ショーンさんは、工学とデザインを学び、ロードバイクや自動車部品の設計にも携わってきた経歴の持ち主。生活に密着したメカニカルのプロダクトを作ってきた彼だからこそ、何世代にも渡って使い続けられる、頑丈な金属のペンを構想できたのかもしれません。本日は、そんなアメリカメイドのペンの魅力を探ります。

私がアメリカメイドのペンに感じる魅力は、重厚感と精巧なつくり。PelikanやPARKERなどのヨーロッパのペンと比べて、より「工業製品」として完成されている点です。アメリカのペンとして思い浮かぶのは、fisherのスペースペン。NASAの依頼で作られ、実際に宇宙飛行士が使っているペンですが、実は、ショーンデザインのペンのリフィルには、このスペースペンのリフィルが採用されています。スペースペンと同じように、特別で存在感のある一本です。

ショーンデザインのペンは一般的なペンと異なり、金属無垢材を削り出して作られています。プレス成型と違って時間や手間がかかりますが、その分金属の厚みもあって、壊れにくいのが特徴。また、ゴムやプラスチックも使用していないので、劣化しにくいですね。ステンレススチールやブラス(真鍮)の素材のものはペンとしては、ありえないと思うほどの重さですが、この重量感がこのペンの魅力を増していると思います。

ショーンデザインの最初のコレクションは、クリップも何もついていないモデルの「#01 クラシックペン」ですが、ファンからの要望でクリップ付きの「#2 クリップペン」が生まれました。クリップのネジとそのフォルムが秀逸です。このクリップがリフィルを交換する際のマイナスドライバーの役割を果たすところも、理にかなったデザインだなと感心します。

時間とともに変わる色合いや質感の変化も、楽しみの1つ。ブラス(真鍮)やコッパー(銅)は経年変化が顕著な素材ですし、その他の金属素材も筆記で手に触れる部分やポケットと擦れる部分が研磨されて、だんだん光沢が出てきます。スーツの胸ポケットにも、映えるでしょう。何本もペンを持ち歩くのではなく、こだわりの1本だけを持ち歩いている方にはおすすめのベストアイテムです。

長く使えるペンだからこそ、時間をかけてペンを自分のものに育てていく楽しみを味わってみてください。DELFONICS WEB SHOPでは一部商品のみの取り扱いです。店舗にも実際にその重みと光沢を感じにぜひお越しください。

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