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2020.12.25 連載 Modern Contemporary Stationery #8「優れたデザインの日本の文房具」


連載「モダンコンテンポラリーステーショナリー」も第8回目となりました。渋谷パルコにあるデルフォニックス 渋谷のバイヤーが選んだ「現代の文具」を紹介しています。この連載では海外製文具を多く取り上げてきましたが、今回は優れた「日本の文房具」にスポットをあてたいと思います。「日本の文房具」にもデザイン性、機能性が高く、隅々まで計算して作られたものが数多くあり、惚れ惚れするようなアイテムばかりです。今回は4つのメーカーの「日本の文房具」をセレクトしました。

まず、写真左側の「CARL ツールスタンド」「CARL ツールスタンド ダブル」。デルフォニックスの直営店舗では長く取り扱ってきた人気のロングセラーです。ペンだけでなく、ハサミや付箋などの小物を収納できるツールスタンド。シンプルな形状ですが、デスクのスペースにあわせて縦、横どちらにも置けるのがいいですね。どちらの置き方にしても違和感のない、計算された作りになっています。自宅で仕事をする際のデスクで活用してみてもらいたいです。

見た目のインパクトが強い「TOMBOW ZOOM707 油性ボールペン」「TOMBOW ZOOM707 de Luxe シャープペンシル」は、ワイヤーのように細いクリップや、クリップについている赤いボールがデザインのポイント。ロルバーンポケット付メモ、ロルバーンダイアリーのリング内にも収納できる細さです。どこまで軸を細くできるかを追求して作られたそうですが、意外にも書きやすい。1986年に誕生した「TOMBOW ZOOM707」シリーズにはデザイン性に優れた面白いペンが多くあるのですが、その半数ほどが生産終了になってしまい、復刻を願うばかりです。海外のみで販売されている、白いボディのアイテムもいつか手に入れたいと思っています。

今回は注目の復刻アイテムも紹介します。
存在感のあるこの「KOKUYO ロータリーテープディスペンサー」は、デルフォニックス 渋谷で販売中です。日本を代表するプロダクトデザイナーの柳宗理さんが手がけたテープディスペンサーが「KOKUYO(コクヨ)」により復刻。3Dスキャンを用いて、オリジナルに近いデザインを再現したそうです。アップグレードされたテープカットには、「コクヨ」のカルカット刃が使用され、一度使ったら他のテープディスペンサーが使えないのではないかと思うような軽快な切れ味。テープの切り口が真っ直ぐで驚きます。土台の文字もポイント。360度回転するため、周囲のどの位置からもアプローチできます。テープディスペンサーは常に見える場所に置くものなので、お気に入りを選びたいですよね。どんなインテリアのテイストにも馴染みますし、使いこまれて変化していくのも素敵です。

1984年に大ヒットした手のひらサイズの8つの文房具セット「PLUS チームデミ」が、プロダクトデザイナーの深澤直人さんのデザインで新しく生まれ変わったのはご存じでしょうか? 一家に1つあるとちょっとした時に便利なセット。進化したところをあげていくときりがないので割愛しますが、大きく変化したのは、スポンジが敷き詰められていた以前の商品とは異なり、ケース内がアイテムごとの形に形成されていて、すっきりと美しく収納されていること。ケースに収まった様子が愛らしく、文具好きならつい欲しくなってしまいますよね。「PLUS チームデミ」の文房具は、例えば、定規は片辺に金属板を採用し、カッティング定規としても使えるなど、1つのツールにも細かくこだわって作られているのも魅力です。

どれも日常にあると嬉しくなる「日本の文房具」。少しでも興味を持ってもらえれば幸いです。デルフォニックス 渋谷で実際にアイテムを見ながら、使うシーンをイメージしてみるのも楽しいひととき。「日本の文房具」を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?

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